忍者ブログ
管理人の日記です。毎日更新が目標!
172  171  170  169  168  167  166  165  164  163  162 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



>たまには関劉も描いてくださ…
文字ネタで申し訳ないけど、三四郎で関劉妄想でも載せておきます。


汽車で同乗し、「一人では気味が悪いから」と劉備を宿屋まで案内する事になった関羽。
流れで一緒に宿をとることになってしまった。
2人でぼんやり向かい合って座るも会話はない。
居所をなくした関羽は湯浴びでもしようと風呂場に向かう。
じゃぶじゃぶ遣っていると、廊下に足音がする。
その足音が近づき、ぎいと風呂場の戸を半分開けた。
劉備が入り口から「ちいと流しましょうか」と聞いた。
関羽は大きな声で「いえ沢山です」と断った。
然し劉備は出て行かない。
却って這入って来た。そうして帯を解き始めた。
関羽と一所に湯を使う気と見える。別に耻かしい様子も見えない。
関羽は忽ち湯槽を飛び出した。
そこそこに身体を拭いて座敷へ帰って、座布団の上に坐って、少なからず驚いていると、下女が床を延べに来た。
広い蒲団を一枚しか持ってこないから、床は二つ敷かなくては不可ないと云うと、部屋が狭いとか、蚊帳が狭いとか云って埒が明かない。
面倒がる様にも見える。
頑固に一枚の蒲団を蚊帳一杯に敷いて出て行った。

やがて劉備は帰って来た。
「どうも、失礼致しました」と云っている。関羽は「いいや」と答えた。

「失礼ですが、私は癇性で他人の蒲団に寝るのが嫌だから・・・少し蚤除の工夫を遣るから御免なさい」
関羽はこんな事を言って、あらかじめ、敷いてある敷布の余っている端を劉備の寝ている方へ向けてぐるぐる捲き出した。
そうして蒲団の真中に白い長い仕切を拵えた。
関羽はタオルを広げて自分の領分に二枚続きに長く敷いて、その上に細長く寝た。
劉備とは一言も口を利かなかった。
劉備も壁を向いたままじっとして動かなかった。

劉備は「色々ご厄介になりまして、・・・では御機嫌よう」と丁寧にお辞儀をした。
関羽はただ一言「さよなら」と云った。
劉備はその顔をじっと眺めていた、が、やがて落ち着いた調子で
「あなたは余っ程度胸のない方ですね」と云って、にやりと笑った。
PR
COMMENT
NAME
TITLE
MAIL
URL
COMMENT
PASS
TRACKBACK
TRACKBACK URL
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
"トマト" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.
忍者ブログ [PR]